ユナイテッド航空は2023年5月8日、デルタ航空が5月1日にアメリカ運輸省(DOT)へ提出した要望書への反対意見と、夏ダイヤで使用していない2路線の発着枠を自身へ配分するよう求める要望書をDOTへ提出しました。配分された場合に、羽田/グアム線とヒューストン線の開設を表明しています。
5月1日付のデルタ航空からDOTへの要望書では、コロナ禍前に路線限定で付与された羽田発着枠は、アフターコロナの今となっては当時の需要予測とは全く異なるものだと主張。2023年3月時点で運航中の東京路線は、2019年比で49%までしか回復していないとしています。そこで、付与された発着枠を行使していない2枠を、他の任意の路線に振り替えられるよう“柔軟運用”を要望しています。
ユナイテッド航空による反対意見書では、デルタ航空が求める“羽田発着枠の柔軟運用“の対象とする2路線は、不採算で“デルタが運航する気のない”とする、運休中の羽田/ポートランド線とホノルル線だと指摘。2023冬ダイヤで運航しない場合に発着枠が没収されるため、これを防ぐための要望書でしかないと主張しています。冬ダイヤの航空券の販売を開始しているポートランド線では、エコノミークラス往復10,000米ドル(約130万円)で販売されており、これを引用して訴えています。

また、デルタ航空が訴える東京路線の回復鈍化についても、日本のこれまでの水際対策を前提としたもので、これらが撤廃された今となっては当てはまらないとも指摘。ユナイテッド航空は、成田/ロサンゼルス線の再開など、日米路線の拡充に努めているとしています。さらに、デルタ航空がポートランドとホノルルに就航しない場合、その2枠を自社へ割り当てるように要望しています。日米路線の拡充策として、羽田/グアム線、ヒューストン線を明記し、それぞれの自治体の賛同書も添えられています。
10月の最終日曜日から始まる冬ダイヤの日米路線で、ユナイテッドとデルタの戦いが巻き起こっています。